「老後の資金が不安」「保険や投資、何を選べばいいのかわからない」――そう思っても、誰に相談すべきか迷ってしまう方は多いものです。
しかし、誤った相手を選んでしまうと、不要な商品を契約させられたり、詐欺に巻き込まれたりするリスクもあります。
この記事では、お金の相談相手を選ぶ際に押さえておきたい基準や、注意すべき点を解説します。
1. お金の相談相手は大きく分けて3種類
お金の相談相手を探すとき、まず大事なのは「どんな立場の人に相談するか」を整理することです。
大きく分けると、次の3つに分類できます。
① 専門資格を持つ専門家
代表的なのは ファイナンシャルプランナー(FP)などです。
強みは、専門知識に基づいて正確なアドバイスをしてくれること。
法律や税務のように、素人では判断が難しい分野の場合は弁護士や税理士の出番ですが、お金の相談は基本的にはFPが多いです。
ただし、専門外のことには詳しくない場合もあるため、「広く浅く」か「狭く深く」かを理解して利用することが大切です。
例えば、不動産会社だって、賃貸に強いところ、売買に強いところがあるように、弁護士には離婚が専門、過払い請求が専門、医者のように、内科専門、外科専門というような感じで、FPにも強い分野弱い分野が人それぞれにあります。
② 金融商品を扱う販売業者
銀行・証券会社・保険会社などのスタッフは、自社の商品を販売する立場です。
相談料は無料の場合が多く、最新の金融商品やキャンペーン情報に強いのがメリットです。
しかし、彼らは「売上」を目標にしているため、顧客にとって本当に必要かどうかより「販売ノルマ」を優先するケースもあります。
利用する場合は、冷静に比較検討する姿勢が求められます。
そして、彼らは、お金のプロではなく、ただの販売員。
お客様のために仕事をしているわけではなく、会社のために仕事をしています。
目を見てみてください。
彼らの目は死んでいて、お客様のことなんて1ミリも考えてませんよ。
③ 中立的な立場のアドバイザー
最近注目されているのが 独立系FPや顧問サービス です。
金融商品を売らずに、相談料でビジネスをしているため、比較的中立的な立場でアドバイスしてくれます。
利用者の立場を第一に考えて提案してくれる点が安心材料となります。
私たちの会社もこのカテゴリーに当たります。
お客様と長くお付き合いをしたいので、「売って終わり」ではなく「一生涯お付き合いさせていただく」ことを信念として活動しています。
2. 専門家に相談するメリットと注意点
資格を持った専門家は、やはり安心感が大きいです。
ここでは代表的な専門家ごとにメリットと注意点を整理します。
ファイナンシャルプランナー(FP)
- メリット:家計管理、教育資金、老後資金、保険の見直し、投資の基本設計まで幅広く対応可能。
人生全体のライフプランを描くのに役立ちます。 - 注意点:FP資格を持っていても、所属先によっては金融商品販売が目的になっているケースもあります。
独立系FPか、企業系FPかを確認するのがポイント。あとは、FPの資格自体、取得が簡単で誰でも取れてしまいますので、FPだから安心というわけではないので肩書に騙されないようにしましょうね。
税理士
- メリット:節税、確定申告、相続税対策など、税務に関しては圧倒的な専門性があります。法人経営者や高額所得者にとって心強い味方です。
- 注意点:投資や保険については専門外のことも多く、必ずしも総合的なライフプランを描けるわけではありません。税務以外の分野には別の専門家を組み合わせる必要があります。
弁護士
- メリット:相続争い、詐欺被害、契約トラブルなど「法律問題」に直結する場合は絶対的な存在です。裁判や交渉代理も依頼できます。
- 注意点:相談料が高額になるケースも多く、日常的な家計相談には向いていません。トラブルが発生した際の“最後の砦”としての位置づけです。

私も一度、FPの肩書を持つ営業マンに“お得な保険商品”を勧められた経験があります。でも実際は、自分に合わない内容でした。資格の有無だけでなく、“どんな立場でアドバイスしているか”を必ず確認することが大切だと実感しました。
3. 販売業者に相談するときの見極め方
銀行や証券会社、保険会社などの販売業者は「商品を売ること」が前提にあるため、相談料は基本的に無料です。
「無料で相談できるから安心」と思いがちですが、その分、提案が“会社に有利”な方向に偏る可能性があります。
販売業者に相談するメリット
- 最新の商品情報に詳しい:金融市場のトレンドや新しい保険商品の情報を持っている。
- 無料で相談できる:初期費用がかからないため、気軽に足を運びやすい。
- 手続きがスムーズ:その場で口座開設や契約まで進められる。
注意すべきポイント
- 複数の商品を比較してくれるか
一社専属の営業担当は、自社の商品しか提案できません。比較せずに「この商品がベストです」と言われたら要注意。 - 契約を急がせていないか
「今月中に契約すれば特典がつきます」「今日決めれば割引です」など、急かす手口は要警戒です。冷静に判断する時間を確保しましょう。 - メリットだけでなくデメリットも説明しているか
「リスクはない」「必ず増える」などと断言する人は信頼できません。きちんとリスクや注意点を説明するかどうかが見極めの分かれ目です。
まとめ
販売業者に相談する際は、「情報収集」と「選択肢を広げる」目的で活用するのがベストです。本当に契約するかどうかは、持ち帰って他の専門家や第三者の意見を聞いたうえで判断しましょう。
4. 中立的な立場のアドバイザーを活用する
お金の相談相手を探すうえで、もっとも安心感が高いのが「販売を目的としない中立的なアドバイザー」です。
独立系FP(ファイナンシャルプランナー)
独立系FPは、金融機関に属していないため、商品販売よりも「相談料」で収益を得ています。
そのため「顧客の利益を第一に考えやすい」のが特徴です。
- メリット:幅広い知識で、複数の金融機関の商品を比較できる。ライフプランを軸に提案してくれる。
- 注意点:相談料が有料(1時間5,000円~1万円程度が相場)。ただし“中立性を買う”と考えれば十分価値があります。
顧問サービスやコミュニティ型の相談
最近は、月額制の顧問サービスや、信頼できる専門家を紹介してくれるコミュニティ型の相談サービスも増えています。
- メリット:一度きりではなく、長期的に伴走してもらえる。複数の専門家につながるケースもある。
- 注意点:月額費用が発生するため、「継続的な相談が必要かどうか」を見極めて契約することが大切。
まとめ
「無料相談」に比べるとハードルが高いですが、長期的な安心や失敗回避を考えるなら、中立的なアドバイザーに一度は相談してみる価値があります。特に人生の大きな選択(住宅購入、保険加入、投資の開始など)の前にはおすすめです。

私自身も、過去に“無料相談”で勧められた商品に失敗した経験があります。その反省から、いまは“有料でも中立的なアドバイザー”に一度相談するようにしています。結果的に、無駄な支出やリスクを避けられるので、長期的には得だと感じています。
5. 信頼できる相談相手を選ぶためのチェックリスト
お金の相談相手を選ぶときは、「肩書き」や「無料かどうか」ではなく、“信頼できる人かどうか”を見極めるのが最も大切です。そのためのチェックポイントを具体的に整理しました。
✅ 資格や経歴は明確か
FP、税理士、弁護士など、資格の有無や実務経験は信頼性に直結します。
名刺や公式サイトで経歴を確認しましょう。
✅ 実績や口コミは確認できるか
これまでどんな相談に対応してきたのか、口コミや紹介実績があるかを調べるのも重要です。
「実際に相談した人の声」が安心につながります。
✅ デメリットやリスクも説明してくれるか
本当に信頼できる相手は「メリット」だけでなく「リスク」も正直に伝えてくれます。
デメリットを隠す人は要注意。
✅ 契約を急がせないか
「今日中に決めないと損ですよ」と急かすのは典型的な不誠実な手口。
相談相手があなたの意思決定のペースを尊重してくれるかを見ましょう。
✅ 自分のライフプランをしっかり聞いてくれるか
画一的な商品提案ではなく、あなたの家族構成や将来の夢、働き方まで丁寧に聞き出してくれる人は信用に値します。
これらを踏まえれば、「相談相手を選ぶ目」を磨くことができます。
まとめ|「誰に相談するか」で未来が変わる
お金の相談相手は、ただのアドバイザーではありません。
あなたの人生設計を一緒に考える“パートナー”のような存在です。
- 専門家:知識と資格の裏付けがあり、安心感がある
- 販売業者:最新情報が得られるが、提案は自社商品に偏りがち
- 中立的アドバイザー:有料だが、利用者の利益を第一に考えてくれる
それぞれの特徴を理解したうえで、自分にとって最適な相談相手を選ぶことが重要です。
「誰に相談するか」は、「どんな未来を描けるか」と直結しています。
信頼できる人を見極める目を養い、安心できるマネープランを築いていきましょう。

私が詐欺に遭ったとき、結局のところ“相談相手を誤った”ことが原因でした。それ以来、“資格や無料”よりも、“自分の話を本気で聞いてくれるかどうか”を基準に選んでいます。あなたも“未来を共に考えてくれる人”を探してください。
いかがでしたでしょうか。
お金の相談は相手を間違えると大変なことになります。
ぜひ見極めて正しいライフプランを設計してくださいね!
それでは最後まで読んでいただきましてありがとうございました!